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戦前の生まれ

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 母は季節にこだわる。贅沢であったり、華やかであったりすることはなく、ただ日常のちょっとした昂揚感だ。

 早春の頃は摘み草。かつて母は、散歩にはビニール袋を持参して、目いっぱい野草を摘んできた。胡麻和えや天ぷら、吸い物でもなんでも2日ばかりは葉物づくし。母にとっての初孫がまだ2歳のころには、ふたりで草餅を作っていた。

 心置きなく草を摘める場所が、年々遠くなってきた。道路が整備され、家が建ち、田舎の風景が様変わりしてきたからだ。さらに、足腰が弱くなり外出が困難になった。私が、食べられる野草を判別できない・・・という事実もある。

 かしわ餅は、友人をあつめたり、隣組の女性たちでたくさん作っていた。ここ数年、柏葉が手に入らなくなり、わたしが母から習う機会も奪われてしまった。

 狭い狭い庭で、ナスやキュウリ、カボチャなどを植えては、実りを楽しんだ。日々の手入れができなくなり、見る影もなくなっているその場所が、母のストレスをさそっている。

 最近は、干し柿用の柿を販売している。今年は10数個、軒下にさげていた。乾燥した天候だったこともありカビも発生せず、今は箱の中に寝転んでいる。

 きのうは、母にとっての甥が白菜を届けてくれた。すこし大げさに言えば、一つが一抱えもあるほど大きく育っている。4つ切りにし、日向に干すのはホームヘルパーさんに頼むと言い、重さを量り5%の塩をふって漬け込むのは私の役目。

 おそらく子供の頃から当然のように体験してきた旬のある暮らし。それを続けられることが、母のみならず多くの日本人にとって、幸せのバロメーターなのかもしれない。なんでも手に入る時代と言うけれど、昔ながらの当り前のモノやコトは失われている。残り少なくなった暮らしのなかの幸せをしっかり覚えておこうと思う。

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