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「よくある話の始まり」(4)

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 すっかり暗くなったので、リョウ君は電気を点けました。ケンヤ君は黙って、話の続きを待ちました。

「店で1万円のふとんも、うちが貰うのは千円になるかならないかだって。忙しくても、人を雇ったら給料なんて払えない。だから夏休みとかに、うちでバイトしても最低賃金にもならないから。文句言ったら、パートのサチコさんだって最低賃金だぞって、怒られたし」

 リョウ君は、自分の家が金銭的に余裕のないことを説明しようと思っているのですが、少し的外れの話になっていることに気づき、黙ってしまいました。

 ケンヤ君は、なんだか難しいことになっていることを理解しようとします。けれど、自分が何か言ってもどうにかなるものでもないと思います。そして、黙って床を見つめています。

 

[説明]

 リョウ君が説明したいのは、次のようなことなのです。

株式会社原源が製品の代金として、元請工場に手形を渡しました。元請工場は、4か月先まで使えないので、加嶋ふとんへの支払いにその手形を使うことにしたのです。加嶋ふとんが受け取った手形には、裏側に元請さんの社名と押印があります。裏書譲渡(うらがきじょうと)手形と言います。

 

期日になったので、チエさんは取引銀行へもっていきました。普通ならチエさんが銀行に提示した手形は、手形交換所というところで、元請さんの取引銀行と原源さんの取引銀行でお金をやり取りして、加嶋ふとんの銀行預金に入金します。が、原源さんの資金不足で、さらに元請工場さんも預金残高がなく、その結果、加嶋ふとんには、入金がなかったのです。

この時点で、原源さんと元請工場さんは銀行取引ができなくなります。法律ではふたつの会社は存在していますが、倒産した、と言われることもあります。

 

 

 

ケンヤくんは、じゃあな、と小さな声で言うと帰っていきました。

リョウ君が2階への階段を上っていると、エイサクさんの歌声が浴室から響いてきました。

 

 

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